最近のMovable Typeでの活用方法や取り組みや、3rd Focusで取り扱っているプラグインの活用方法をご紹介していきます。
この記事は Movable Type Advent Calendar 2023 14日目の記事です。
たじまです。もっといい孫の手はないかと検索していたら熊手をおすすめされるようになりました。
今日は、MT7 以降の小ネタになるのですが、既設の Movable Type の環境調査を行っていたりするとたまに遭遇する問題について書いておこうと思います。
イントラサイトやサーバー配信前提の CMS 構築を行う場合、お客様のローカルネットワーク上のサーバーで Movable Type を稼働させることが、ままあります。
そんな環境の Movable Type にログインすると…まれになかなかダッシュボードが表示されず10秒以上してからやっとこさ表示される…という状況に遭遇したりします。
うわっ…このCMS、遅すぎ…?
…と、思いつつも、ログインできてるし、たまにしか使わないのでそのまま使ってるケース。遭遇した経験ないでしょうか?
私はあります(私だけだったらどうしよう)
…違う!違うんです!!これは
「MT からインターネットにアクセスできない」
場合に発生する現象です。
Movable Type の管理画面にログインした際、URLに遷移先画面の指定がなければ「ダッシュボード」と呼ばれる画面に遷移します。
このダッシュボードですが、説明をみると
ダッシュボードには、ユーザーが利用できるサイトのショートカットや、Movable Type のニュースなどが表示されます。
「Movable Type のニュース」
これをインターネット経由で取得しています。
さらに、Movable Type 7 以降では、Movable Type の最新バージョンの情報をインターネット経由で取得しています。
ダッシュボードの画面を見てみると
右サイドバーにある「アップデート」「Movable Typeニュース」のウィジェットが、これに該当します。
表示内容はキャッシュされデータベースに保存されていますので、たまにしか遭遇せず、放置されがちですが、MT に濡れ衣を着せられるリスクを放置するわけにはいきません。MT が遅いわけではない!
そんなわけでこんな境遇の Movable Type を見かけた場合、次にあげる方法のどちらかで対策しましょう。
「そのウィジェットを閉じればいいじゃん」
…という声も聞こえそうですが、ウィジェットの設定はユーザーごとの設定になりますので、全ユーザーに閉じてもらわねばならず、この方法は除外しています。
ちゃんと環境変数が用意されています。次の2行を mt-config.cgi に追加します。
NewsboxURL disable DisableVersionCheck 1
1行目で「Movable Typeニュース」の取得を行わないようになります。ウィジェットは残りますが、常に「Movable Typeニュースはありません。」と表示する静かなウィジェットになります。
2行目で「アップデート」ウィジェット自体が廃止されます。
なお、DisableVersionCheck については、残念ながらドキュメントがありません。(2023年12月14日現在)
このほかに環境変数 LearningNewsURL を追加する設定を見かけますが、この環境変数を使う機能は Movable Type 5.1 で廃止されています。
どのようなネットワークに接続されているか次第ですが、設定次第でインターネットへのアクセスができる状況なのであれば、こちらがオススメの方法になります。
ただ、どのような設定が必要であるかは、お使いのネットワーク次第になりますので、まずはネットワーク管理者の方にご相談ください。
その際、「アクセスしたいホスト名の情報」を求められた場合、次の3つ(※1)をお伝えください。
www.movabletype.org movabletype.jp www.sixapart.jp
※1 Movable Type 8.0.2 のダッシュボードで使用されるホスト名情報となります。ダッシュボード以外にインターネットへのアクセスを使用する機能を用いる場合には別途追加が必要となります。
また、プロキシサーバーを使用することでインターネットにアクセスできる環境であれば、Movable Type の次の環境変数を用いて設定することで対応できる可能性(※2)があります。
※2 SOCKSへの対応には別途外部モジュールの導入が必要となりますが、本記事では割愛します。
方法2がオススメの方法になるものの、イントラネットなどではセキュリティ的な要因もあり、簡単にいかないケースも多いかと思います。そういった場合は、方法1が簡単かつ確実に対策できますので、状況に応じてどちらかの方法で対策しましょう。
ちなみに自分はノートPC上の開発環境に方法1の設定を適用しています。こうすることでネットの使えない移動中でも快適に使用できます。
今回これまでと少し違う毛色の小ネタになりましたが、次回からは、また最近の Movable Type について突っ込んだ話を書いていきたいなと思います。